苦手だけど、好きにならずにいられない!
ニッコニコご機嫌ビッキー。
ーーさっきのオトコとこの後逢う約束でもデキ上がったの?
意地悪な気持ちがムクムクと大きくなる。私は作業の手を止めずに言った。
「さよなら。ビッキー、あなたみたいな人は芸能界で成功なんて絶対出来っこないでしょうけど、まあ頑張ってね」
「….な、なんでそんなこと言うの?嫌なやつ!」
色白のビッキーの顔が全面チークと同じ色になる。
私はビッキーに向き合った。
「自分がちゃんと仕事してたって自信持って言える?
私はこの仕事に自分の全てを賭けてるの。あなたみたいなおままごと気分の人は大迷惑だった。
仕事を甘く見るんじゃないの!一生懸命やらない人が夢や感動を人に与えられるわけない!
若いうちは若いだけで仕事が舞い込んでくるかもしれないけど、中味が空っぽだったらすぐに飽きられちゃうから!
…どうせ私がこんなこと言ってもあなたは聞く耳持たないんでしょうけど」
「…成功しないとか…ひっどーい。
言い過ぎだよ。ビッキー、きくみみ?とかいうのは持ってないけど、猫耳とかバニーの耳なら持ってるよ?」
ビッキーが恨めしそうに私をみる。