苦手だけど、好きにならずにいられない!


デレクのことを意識しているとナオミに思われたくない……

なんて考えていたら、ナオミがチラリと私の方を見て視線が合う。


「忙しい人だから行けるかどうか直前まで分からない。でも、行けるように調整してる。たとえ、1日でもね」


ええ⁈何何?
なんか今、心を読まれた!

「莉子、あなたには新太のサポートを頼むわね。それじゃ、今日はもう戻らないから」


そう言ったあと、ナオミは黒のケリーバックを持って颯爽と出掛けていった。


「すげー、南の島だよー。俺、浮き輪持っていこう。プールで使うの。ほら、自分のケツを浮き輪の真ん中に入れてクルクル回るの。好きなんだよー」

ノーテンキな寺島先輩を尻目に私には少々心配事があった。
2日前に好物件を見つけて、手付金を打ったのだ。

駅徒歩15分。築浅のオートロックワンルームマンション。小型ペット二匹まで可。5階建の5階部分で角部屋。陽当たり良し。

気に入った一番の理由は高台に建っていて、遠くにB.C. square TOKYOの勇姿が小指の先くらいだけど見えるから。

でも、まだ前の住人が住んでいて、二週間後に引っ越す予定。

それから部屋のクリーニングとかなんやらすると、入居は三週間くらい先になると不動産に言われたのだ。




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