苦手だけど、好きにならずにいられない!
Welcome to
Beriberi Royal Resort!
こじんまりとした空港に降り立つと、真新しい横断幕が私達を出迎えてくれた。
あちこちに蘭の大きな鉢が置かれ、南国ムードいっぱいだ。入国審査を済ませた私、ナオミ、寺島先輩3人をホテルのスタッフ男女が私達を出迎えてくれた。
女性は黒髪をお団子ヘアにして地味目なアロハシャツに紺のボックススカート。男は小太りで派手めのアロハシャツを着ていて、いかにも南国の男という風貌だ。
「ハロー、ベリベリ島へようこそ。わたしは、アリシアです」
アリシアは満面の笑みでナオミ、私、寺島先輩の順で赤いハイビスカスのレイをかけてくれた。
「ハイ、アリシア、はじめまして。あなた日本語がお上手なようね」
大きなつばのストローハット、大ぶりなサングラスをかけたナオミは、真紅のマニキュアの右手をアリシアに差し出す。
「そんなことはありません。独学ですからぁ、ところどころおかしいかもしれません」
不思議なイントネーションのアリシアは褐色の肌の手を伸ばし、ナオミと固い握手を交わす。