苦手だけど、好きにならずにいられない!
「莉子、新太。アリシアはホテルの支配人でシンガポールから来たの」
ナオミが言うと
「ハイ、日本語難しいです。スタッフで分かる人、私しかいないです。皆に教えてください」
アリシアは濃い顔をくしゃっとさせて笑った。
アリシアの傍らにいる男は日本語が分からないようだったけれど、カタコトの日本語で「ワタシハ、マイク。オクルマ へ ドウゾ」とにこやかに案内してくれた。
旅行日程は三泊四日。
プロモーション・ビデオの撮影は1,2日目に行い、あとはフリー。
3日目の夜にプレオープングパーティがある。
フロントでは、新人スタッフの研修が仕上がってないらしく、チェックインの手続きが不慣れでキーをもらうまで少し時間がかかった。
ナオミプロデュースだから期待していたけれど、私達に一人一人にあてがわれた水上コテージは想像以上にロマンチックだった。
「うわ、資料写真で見たのと同じだ!すごい!奥行き広い!キレイ!ナオミさん素晴らしいです!」
「デレクが奮発してくれたのね。
イッツ、ソー ラブリー!」
ナオミも嬉しそう。