苦手だけど、好きにならずにいられない!


まずはじめは、カナリアオレンジのサンドレスを着たビッキーがのんびりと歩き、辿り着いたビーチで様々なマリンスポーツを紹介するシーン。


その後、水着に着替えて(陽射しが強いのでラッシュガード着用。ファミリー向けのビデオなのでお色気はNG)
波のプールやウオータースライダーで遊ぶ様子を見せる、というのが日中の撮影予定だった。


私の中では宇宙人のカテゴリーに入るビッキーだけれど、カメラが回りだした途端、一変してキラキラ輝き出した。


「はい!ここは自然の樹木を生かした素敵なお庭になっています。流れるプールからのんびり眺めるのもいいですよね!」

台本があるなんて感じさせず、自分の言葉にしている。踊り出しそうに軽快なビッキーがカメラを担いだヒゲ男とガンマイクを付けたさおを持つチビの音声係を引き連れて歩く姿は、いっぱしのスターだ。
その変貌ぶりは、才能だと認めざるを得ない。


そして、ビッキー達の後ろをボディガードと付き人よろしく寺島『ちゃん』と私が続く。
金魚のフンのパレードみたい。

ブッフェスタイルのレストランでのディナーが終わったあとも、私達抜きで撮影は続けられた。




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