苦手だけど、好きにならずにいられない!

撮影クルーは、明日午後の便で帰国するのでビッキー出演シーンの撮影を急がなくてはならなかった。

せっかく海外なのにもったいない話だけれど、ビッキー達は100パーセントビジネスで来たのだから目的を果たしたら経費節減の為、泣く泣く帰るしかないのだ。

夜10時。

お風呂上がりの濡れた髪のまま、コテージのバルコニーに出てみる。

今まで見たことがないほど、満点の星が広がっていた。

「こんなに空に星ってあるんだ…」

感動して涙が出そう。静かなさざなみの音が心地よい夜。

夜の海は少し怖い。でも神秘的だ。


ブッフェの食事は本格的な寿司天ぷらの和食ありエスニックあり中華ありで大満足だった。

特にシェフが目の前でカットしてくれるローストビーフの柔さかといったら!あれなら舌の肥えた日本人客を唸らせることが出来る。

でも、そんな素晴らしい食事もナオミの前では霞んでしまった。

意表を突いたゼブラ柄のタイトなミニドレス(オフショルダーで滑らかな肌が丸見え!)を着て現れたナオミの美しさにレストラン内にどよめきが起きた。

あんなにいろんな料理があるのに、ナオミがワインとサラダしか食べないのにもびっくりした。
ダイエット中なんだとか。



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