苦手だけど、好きにならずにいられない!
でもみんな慣れてるし、ちょっとだけ笑ってあげる。
「おっしゃ!そろそろナオミも来るな。朝、ここのジムで一汗流すって言ってた。ランニングが日課だから、走んねえと気持ち悪いんだと。
あの人、B.C. square TOKYOジムのプラチナ会員なんだぜ。インビテーション・チケットならいつでもあげるってさ。
お前も分ももらっとこうか?」
「うーん、行ってみようかな。運動不足だし」
「ラジャー。あ、確かデレクも通ってるはず。やっぱあの二人ってデキてるんだろうなあ…」
そうかもね、と素っ気なく返事しておいて、やるせない気持ちになる。
しようがないなあ…私。
時間ジャストにナオミがやってきた。上下白いトレーニングウエアにサングラス姿。上着のフードを被ってリラックスした様子の彼女だけれど、現場は一変して緊張感が走る。
ナオミはジムを終えてシャワーを浴びてそのまま来たと言った。
ノーメイクなのに、肌が陶器みたいに綺麗…
「ナオミさん、ジャージとか着るんすね」
お調子者の寺島先輩が軽口を叩く。
「私だってこれくらい持ってるよ。いつもスーツ着てるわけじゃないの!」
と肘で先輩をつついた次の瞬間、ナオミの完璧な形の眉がぐっと大きな曲線を描いた。
「Oh My God!ちょっと、花嫁あの子?ひどいじゃない!」
両手を突き出し、これはない、というジェスチャーをする。