【完】BLACK JOKER -元姫VS現姫-
ゆゆの言葉にすぐそなたが噛み付くから、「ひどいっ」とわたしの背後に隠れる彼。
隠れるのは構わないけれど、間違いなくわたしを選んだのはミスだと思うの。誰よりもそなたに言い負けるのはわたしだと思うの。
「まあでも〜、俺もゆゆちゃんに賛成だけど〜?
お前もいつまで意地張ってんだか」
「みや、」
「おっと、そろそろ昼休み終わるな〜。
ひの、一応彼氏に俺らが会いたがってるって言っといて〜」
「えええ……嫌なんだけど……」
「言ってくれねえなら押しかけるからな〜」
……そんなのはじめからわたしに選択肢ないんじゃないの。
でもまあ勝手に押しかけられるよりも、言った方が確実にマシだ。嫌だって言われたら、断れば良いわけだし。
「……って、いうことがあって。
会いに行っていい?って言われたんだけど」
『おー……別にいいけど。
……お前の元彼、いるんじゃなかった?』
「……うん」
もう彼女いるけどね、と。
電話の向こうの夕李に伝える。かけたときはまだ綺麗に夕日が見えていたのに、すっかり沈んであたりは夜。窓越しに、綺麗な月をじっと見上げた。
『あー、妬きそー』
「………」
『こいつが俺より先にひのと付き合ってたのかって考えたら、なんか、たぶん普通に妬くわ』