【完】BLACK JOKER -元姫VS現姫-
「やっぱ、油断できねーよな」
「ふふ、そうね。
あ、そう、聞いてよ。今日ね、シンからわたしたちを盗撮した写真送られてきたの」
「はあ?
あいつまじなにやってんだ……どんなやつ?」
「えっとね、」
スマホを取り出して、送られてきた写真を見せる。
そうすれば「あいつ明日シメる……!」と一言。シンも同じ学校だもんね。だからわたしにだけ送ってきたんだと思うけど、わたしが夕李に告げ口するとは思わなかったのか。
「まじいつどこで見られてるかわかんねーな」
「ね。びっくりした」
くすくす笑いながら、夕李を見上げて。
漏らした笑みが途切れた瞬間、ふわりと重なる感触に、目を見張る。ぱちぱちとまばたきしている間に離れた夕李が、「目ぇ閉じろよ」と文句をひとつ。
「な、っ……だって、」
「女の子は不意打ちちゅーされんの好きなんだって前に熱弁してたのは?」
「っ、もう……!」
なんでそんなこと覚えてるの……!
しかもそれって綺世に不意打ちでキスされたのがうれしくて言ったやつだし……!
「だってお前、普通にキスすんのすっげえ恥ずかしがるじゃん」
「普通に恥ずかしいんだもん……
っていうか、つられて夕李が恥ずかしがるから余計恥ずかしくなるんだってば」