【完】BLACK JOKER -元姫VS現姫-
「なんで赤くなってんの。
……俺に食べられるって想像したの?」
「っ、そ、そんなことあるわけないじゃん……」
耳元でくすっと笑って言えば、さらに真っ赤になる万音。
否定の言葉の説得力のなさたるや。……っていうかこの体勢でそういう解釈されたら、俺だって我慢するの嫌になるんだけど。
ふたりきりになることがわかってたから、今日は倉庫に行かないって幹部に連絡したし。
夜まで両親が帰ってこないのをいいことに、じっくり万音と時間を楽しむつもりだったけど。
「……期待に応えて、食べてあげよっか」
「っ、やだやだ、」
「やだ?
いつもそう言って結局食べられたらうれしそうなの誰だっけ?」
意地悪言ってる自覚はある。
好きな子をいじめたいっていうアレの延長みたいなものだし。それに比べて、成長したところは前よりも泣かせなくなったことぐらいかな。
「大人しく食べられたら、
ひのとのお泊まり許してくれるの?」
「……俺の気まぐれじゃない?」
「いっぱい好きって言ったら?」
「……考えなくはないかな」
「いっぱい好きって言うし、
……あのね、いっぱいキスもしてあげる」
「……いいよ、乗った。
でもするなら一泊だけにしてよね」