【完】BLACK JOKER -元姫VS現姫-
・オワリトハジマリ
2番目でもいいと、ずっと思ってた。
【Side Kano】
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「お姉ちゃん、綺世さんに会えて嬉しそうだったね」
「……そーだな」
夕ちゃんとふたり、花火の上がる空の下を歩く。
本当はどこかで一緒に立ち止まって見たかったけど、どこも人が多くてなかなか場所が決まらない。
綺世さんと顔を合わせたお姉ちゃんは、本当に"おんなのこ"って感じの表情をしてた。
綺世さんは綺世さんで、お姉ちゃんのことを大事そうに見つめていて。
「……まだお姉ちゃんのことすき?」
「………」
夕ちゃんも、よくおんなじような表情でお姉ちゃんのことを見てる。
かののまわりの男の人はみんな、お姉ちゃんのことをすきになる。……でもわたしは、そんなお姉ちゃんのことを嫌いだなんて、思ったことない。
「好きだったよ」
「うん、」
「ずっと好きだった。……昔から」
すこし街から離れたわたしたちの地元。
みんな仲が良くて、当たり前のようにお互いのことを知っていて。
「あいつのためにも忘れてやんなきゃな」
「むりに忘れなくていいと思うよ……」
はぐれないようにと握られた手。
わたしがそれに緊張してること、夕ちゃんはきっと気づいてる。