【完】BLACK JOKER -元姫VS現姫-



どきり、とする。

わかっていたはずなのに、"妹みたい"という言葉が重い。そんなので、終わらせたくはなかった。



「でもそれじゃ、

お前のこともすげえ不幸せにすんだろうな」



「っ、」



「かの。俺は、」



夕ちゃんが、足を止める。

その先に広がる光景に、思わず「綺麗」と声が漏れた。



「……俺は、お前と一緒にいたいよ」



ばっ、と顔を上げる。

隣に立つ夕ちゃんの姿は、夕日で美しく照らされていて。どんな時よりも、本当にかっこよく見えた。




「ひのに振られたとか、そんなんじゃなくて。

……支えてくれてたの、実際結構嬉しかったし」



「夕、ちゃん」



「俺と一緒にいて」



じわりと、視界が滲む。

広く街を見渡せるこの場所で、夕日が沈むのに合わせてそんなことを言うのはずるい。



「っ、でもわたし、

お姉ちゃんみたいに、自慢できるとこないし」



「別に自慢したいわけじゃねえじゃん。

かのは、俺のこと自慢したくて付き合いたいと思うの?」



「違う……」



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