【完】BLACK JOKER -元姫VS現姫-
「お前パフェ好きなんだから、気つかわなくていいって」
「でもチョコブラウニー好きでしょ?」
バニラアイスを一口食べてから、チョコブラウニーを掬う。
そのまま夕李に差し出せば、結局はそれをぱくりと食べた。……やっぱり好きなんじゃない。
「チョコブラウニー好きなんて俺言ってなくね?」
「……好きなんじゃなかった?」
「お前がバレンタインにくれたチョコブラウニーはうまかったって言っただけだし」
……言われてみればそうだったような気もする。
好きなわけではなかったか、と記憶をたどりながら「ホワイトデーにもらったマカロン美味しかったわよ」と他愛もない話。わたしと夕李の会話ってこんなものだ。
「ホワイトデーのお返しの意味調べたんだろ?」
「調べろって言ったのは夕李じゃない。
もし調べてなかったら今頃付き合ってないと思うけど」
「お前念押しして言っとかねーと告白の返事も放置しそうなぐらい面倒くさがりやじゃねーか。
1回目もそれなりに精神折れるけど、返事もらう前の念押しの告白ってまじで精神やられんだからな」
「1回目は告白する気なかったからでしょ」
「衝動的だろうが俺の告白を蔑ろにすんなっての」
「ねえ次の地元の集まりいつやるか話出てる?
女子の方でもそろそろ集まろうって言ってるけど」
「お前俺の話ちゃんと聞けよ」