【完】BLACK JOKER -元姫VS現姫-
みんなが百夜月に関わるようになったその経緯について、深くたずねたことはないけれど。
それぞれ、何かしら理由は抱えてるんだと思う。……いい意味でも、悪い意味でも。
「そう思えば本当に、夕李は真面目よね」
「……そうか?
ただなんとなくで、いろんなことやってるだけだと思うけど」
わたしのパフェから短いスティックチョコを1本抜き取って食べる夕李。
ひとりで食べきれないと判断して、夕李にときどきスプーンに乗った一口を押し付けてるけど夕李は文句を言わずに食べてくれる。
「わたしなんて反抗してみたけど、結局……
足掻いた答えなんて見つからなかったもの」
「ふーん?
でもお前金髪だったときも今も、いい意味で中身変わってねーけど」
そのままでいーんじゃね?と。
軽い口調で言ってくる夕李に、「そうかな」と小さくつぶやいて答える。……こういうちょっと真面目な話も、暗くせずに聞いてくれるのは彼のいいところ。
「疲れたからって立ち止まっても、たぶんお前のこと誰も置いてったりしねーじゃん。
お前、地元メンツの誰かがそうなったら一緒に立ち止まってやるだろ」
「……そうね」
「だから深く考えなくていいと思うけど」
「……お腹いっぱい。ごちそうさま。
夕李食べるの手伝ってくれてありがとう」
「……お前ほんと人の話聞かないな」
だって、じめじめしてるのってなんだかわたしらしくない。
いつも通りで行こうとせっかくテンションをもどしたっていうのに、夕李はひどい。……なんてそんなこと、微塵も思ってないけど。
「このあとみんな、どうするの?」