【完】BLACK JOKER -元姫VS現姫-
深刻ではないが、それなりにそんな真面目な話もして。
結構話し込んでたなとそれぞれ帰りの支度をはじめ、いつも通りの俺らの雰囲気で解散する。途中までの道のりはそう変わんねーけど、最終的に近所まで一緒なのはみやだ。
……こういうのもあったりするから、俺が一番仲良いヤツなんだろうな。
「たまには全員で飯行くのもいいねえ。
……月1ぐらいでゆゆちゃんのバイトないときに行ってもいいんじゃねえの〜?」
「……人と関んの好きじゃねーお前がそう言うのめずらしいな」
「好きじゃねえけど、百夜月は別だろ〜」
楽だわ〜、と伸びをして歩くみや。
俺は誰よりもみやのことを信頼してるし、たぶんそれはみやも同じだ。
だからこそ、ほかのヤツの前では見せねーぐらい気ままな姿もよく見るし、本気で向き合える相手だと思う。
……いい意味でも、悪い意味でも。
「この先どーすんだろーな」
「ん〜?」
「綺世。
……本気になったら俺らでも止めらんねーからな」
「それぐらい溺愛してんだろ〜」
鈍いんだよお姫様は〜、と。
のんきに言うみやに、内心「お前もな」とつっこみを入れる。……お前も相当鈍いっての。いっそ俺が教えてやろうかと思うぐらい鈍いんだよ。
「ま、俺は様子見るわ〜」
くすりと、笑みを浮かべたみや。俺相手にそんな色気使ってどうすんだよ、と言いたくもなるけど。
結局「そうだな」とだけつぶやいて、いつもの別れ道でひらりと手を振る相方に軽く手を上げた。