【完】BLACK JOKER -元姫VS現姫-
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「おはよ〜。……眠そうだねえ」
「んー……昨日ちょっと眠れなくて」
──朝、いつものように学校に行けば。
バイトがなかったおかげで早くこれたらしいゆゆと、いつも通りのみやが机に突っ伏しているひのに声をかけていた。
「おはよー、そなちゃん」
「ん。はよ」
「おはよう、そなた」
ゆゆの言葉で俺に気付いたひのが、顔を上げる。
それからくるりと振り返った彼女に同じように返そうとして、一瞬言葉に詰まった。……そのせいで、3人から訝しげな視線を向けられるけど。
「お前、それ……」
「え、わたし?どうかした?」
「……うなじんとこ」
振り返った時に髪が流れて、ちらっと見えたうなじ。
色っぽいだとかそういうことはひとまず置いといて、うっすらと赤くなったそこになんとなく見当がつく。俺の口調と位置的に俺の言いたいことに気付いたのか、みやが口角を上げた。
「キスマついてんじゃねえの?」
「なっ……!
そんなのついてるわけないでしょ!?」
「……なら確認してやるから俺に見せて〜?」