2月13日
初めて乗った車なのになぜか居心地の良かった助手席を離れて一礼する。


「こちらこそ、災難に巻き込んでごめんね。明日はここに待ち合わせで大丈夫?あっ、なんかあったらこれに電話して?」


明日の時間と場所は先ほど決めたが、今更ながら連絡先も名前さえも知らなかった。


私の携帯に彼の番号が登録され、名前の欄に「神崎さん」と打たれた文字。

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