祐也と私と一平先輩
”コンコン”


部屋のドアが開いて、先輩のお母さんが入ってきた。



「綾乃ちゃん疲れたでしょ?少し休憩したら?」


言いながら、机に紅茶とケーキを置いてくれた。


「おばさん、すみません」


「一平は自分のペースで教えるから綾乃ちゃんはしんどいでしょ?」


腕時計を見ると、夜の11時を回っていた。

先輩の家に来たのが8時少し前で、気づけば3時間ぶっ通しだ。


「先輩の勉強もあるのに、逆にすみません」

「いいのよ」

笑顔の母さん。


「徹夜で勉強するの?」


お母さんの問に、

「やることが沢山ありすぎて.....たぶんそうなるかな?
どうせ明日は休みだし。先に寝ててよ」


先輩が答える。


「あんまり根詰めなさんな。綾乃ちゃんは女の子なのよ、体力も考えてあげて。
疲れたらちゃんと言うのよ、綾乃ちゃん」


「はいっ」


そう言って、お母さんは出て行った。
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