祐也と私と一平先輩
「どうした綾乃?なんで赤くなってんの?」



私はブンブン思いっきり顔を振る。


「いやーどうしてかな?私、彼氏いないのに変だねっ」


笑って誤魔化す。



だって、あれから.....。


小坂くんとキスした日から何日も経ってるけど、私たちってカレカノって感じ全然ないんだよね。


別に仲良くするでもなし、一緒に帰ったりするでもなし。


生徒会でだって『トロい、ノロい、ドジ、バカ』しか言われてないもん。


やっぱりあれは小坂くんの気まぐれだったのかな?


場の雰囲気で、勢いでキスしたのかな?


あっ。

「そ、そう言えば、クラブの最後にライト消したでしょ?あれって毎年やってるの?」


急に聞いてみたくなった。


「あー、あれ。今年が初めて」

ニヤリと笑う先輩。

「小坂に対抗してやったんだ」

小坂くんに対抗?

いぶかしげな私に、

「小坂の案なんだろ?『スプパでキスすると結ばれる』って。
なんか悔しくてさ。だから俺もDJに頼んでやってもらったわけ」

「そうなんだ、一平くんもやるぅ」

おどけて見せても心中は複雑で。
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