祐也と私と一平先輩
でもそのせいで....。

あっ、でも正確にはその前だけど、結局二回キスしたんだけど...。



小坂ぁ、返してよ私のファーストキス!

って、あーん悔しいよっ。

女の子にとってファーストキスがどれだけ大切か分かってないよっ!

つきあう気もないくせにキスするとか、マジあり得ないんだけど。




ほんとはさ、理想のファーストキスのシチュエーションあったのに...。



────場所は学校の屋上でね。


夕焼けが背中を差して。

ゆるやかな風が吹いて私の髪を揺らす。

彼の手が私の髪を優しくなでて、

お互い見つめあって。

そのまま彼の手が私の頭を抱いたままグイッと私を引き寄せて....重なる唇。


静かな時間が流れて。


彼が『愛してる』ってささやいて。


私は黙ってうなずくの。


愛し愛され的な。


理想のファーストキス。


もー、ぶち壊しじゃんっ!


どれだけ夢見てきたと思ってるのよっ。


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