祐也と私と一平先輩
「いつからかな?綾乃が妹じゃなくなったのは?」


先...輩?


息を吞んで先輩の横顔を見つめた。


鼻筋の通った横顔。

いつも見てきたのに、今日は何故だか違って見える。

大人びた骨格が私にとって妙に違和感で。


幼い記憶を上書きしなきゃいけないかも。





「俺にとって綾乃は特別で大切な存在で。
だから宝物みたいに大事に大事にしてきたつもりだったんだ」


先輩は大きく息をついた。


「大切だから、手が出せないことあるんだよ。
それなのに....あいつは俺の大切な宝物に触れた....」



って、えっ?!


まさか....先輩は私と小坂くんがキスしてるの目撃しちゃったの?


急に鼓動が早くなる。


どうしよう、視線が泳ぐ。


先輩に見られてた?


そのことがむしょうに恥ずかしいし、

悪い事をした子供のようにおびえてしまう。
< 123 / 346 >

この作品をシェア

pagetop