祐也と私と一平先輩
「へー?俺が行く間にそんなことがあったの」


「うん」


家への帰り道。


時刻は7時近くになっていて、陽が延びたとは言えさすがにあたりは薄暗い。


住宅街に人通りはほとんどなかった。



「で、その元カノは綾乃の友達?」


「ううん、今日初めて会った子」


「じゃあ二人が別れた理由は知ってる?」


「....知らない」


うつむきながら歩く私の足元に小さな石ころが視界に入った。


意味なくそれを蹴飛ばしてみる。
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