祐也と私と一平先輩
「俺が小さい頃、両親は喧嘩が絶えなかった。

子供だったから喧嘩の理由はよくわからなかったけどさ、
自分がいい子いにしてたら両親は仲良くすると思った。

その時からだろうなぁ、きっと。
自分の感情を押し殺すことを覚えたのは。

親の顔色をうかがい、他人の顔色をうかがい、
波風を立てない生き方をしてきた。

そうすることで自分の身を守ってきた。

幼い頭で考え出した最善策ってやつ。


結局両親は離婚したけどな」



一平先輩の心の闇....か。



祐也はそっと視線を先輩から外した。





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