祐也と私と一平先輩
「こら、学校では一平先輩だろ?」


コツンと私の頭を軽く叩く。


「ごめんね、またやっちゃった。えへへっ」


一平先輩に叩かれた頭に手をやりながら”ペロ”っと舌を出す。

二つ年上の幼なじみ。

どうしても”先輩”って言うのに慣れなくて、”一平くん”って呼ぶくせがなかなか抜けなくて。


「ほらこれ」


差し出されたのはクマ柄の私のお弁当バック。



「あれ?どうして一平先輩が持ってるの?」


「お前が忘れたからだろ」


へっ?

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