祐也と私と一平先輩

「清良も待ってるし行こう」


祐也の肩を”ポン”軽く叩くと、一平は歩き出した。



その背中に、


「先輩っ!俺は....綾乃のことは引けません。男として絶対に。
綾乃はあなたに渡さない」


「まあ、頑張ってくれ」


一平は振り返ることなく、
ポケットに入れた右手を軽く上げると、
そのまま校舎の中に消えて行った。




「俺は負けない」


呟く祐也の言葉を、無駄に照りつける太陽が、
ジリジリと焼いているようだった。

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