祐也と私と一平先輩
「さっきはありがと」


「えっ?」


「俺の代わりに京也を叩いてくれただろ?」


「あ、うん」


「綾乃怒ると怖いんだって、ちょっとビックリしたけどね」


私の顔は瞬殺で赤くなる。


「嘘だよ、冗談。
俺のためにサンキュな。

綾乃に何かあったら.....」


もう一度私を強く抱きしめた。



涙で先輩のシャツを濡らしたけれど、
私はしばらくの間、先輩のぬくもりに甘えていたかったからそうしていた。


窓を叩く雨音はいつの間にか止んでいた。


静かなに流れる時間。




........




「授業終了まであと30分位か。
ここで時間つぶしてようか?」


腕時計で時計で時間を確認した先輩は、さっきまで私と棚倉先輩が座っていたソファーに腰をおろした。



「あの一平くん....」
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