祐也と私と一平先輩
「ん?」

優しい笑顔を向けられて”ドキッ”としてしまった。


恥ずかしくて照れかくしで思わずうつむいてしまった。



「棚倉先輩って一平くんの友達なの?」


一平くんに対してさっきの言動があまりにもひどすぎて、心につかえていた。


にっこりと笑うと私の髪をなでながら、


「そうだね、悪友....かな?」


そう教えてくれた。


「悪友?」


「うん。気心も知れてるし、基本いいやつなんだけど、時々俺に牙をむく」

先輩の言ってる意味がわからない。

さっき棚倉先輩が友達にも色んな形があるって言ってたけど?


「友達....なんだよね?」

「そうだね、この学校で一番のね」

「さっき一平くんが退学になればよかったって言ったし」

「うーん、説明が難しいけど、あいつの本心じゃないよ」


ますますわけが分からなくなってきた。


「あいつの欠点は女癖が悪いトコ。まさか綾乃に手をだそうとはね」


高校生で女癖って.....。


「あ、あの。ここで偶然会ったの」


「....うん」
< 263 / 346 >

この作品をシェア

pagetop