祐也と私と一平先輩
「.....だって清良先輩に私、嫌われてるし」



「.....綾乃」


先輩はそう呼びかけたあと、しばらく黙っていた。


静かな空気の中に一種重たいものを感じる。


先輩は静かに口を開き話し始めた。




「.....四年前のこと憶えてる?」


四年前....。

それは一平くんは中二で、彼のお母さんが再婚した年。


「忘れて....ないよ」

「俺が一生お前を守る」って言ったことも憶えてる?」


そ、それは....。


「お、憶えてるけど。でもそれで自分を縛ることないんだよ、一平くん。だってあれから四年もたてば気持ちだって変わるし」


先輩は悲しい笑顔を作った。


「じゃあ、あの時綾乃が俺に言ってくれた言葉憶えてる?」
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