祐也と私と一平先輩
生徒会用の台車を小坂くんがガラガラと押す横を私も歩く。


台車を使う時は、教員専用のエレベーターを使ってよかった。



一階まで降りると、渡り廊下を使って体育館へと向かう。


ちょうどテニス部が練習をしているところだった。


そこには藤崎さんの姿があった。

彼女テニス部だったんだ。


小坂くんは気づいているのか、いないのかわからないけど、
テニスコートに送った視線をすぐに前へと向き直した。


そう言えば、私が清良先輩の友達にからまれたときも、藤崎さんがいたっけ。


確か小坂くんは藤崎さんに、


『お前、変わんねえな』


そんなことを言った気がする。


あれはどんな意味があったんだろう?
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