祐也と私と一平先輩
「一平先輩。えっと、玲奈にお金借りるからいいもん....」


「それでもいいけど....」一平先輩は顎に手をあてて、


「困った時は、俺んとこ来いよ。三年A組、知ってるよな」


「う、うん」


「ったくドジなんだから」そう言いながら、もう一度私の頭をポンポンすると、



「....綾乃、今日一緒に帰れる?俺生徒会ないから」


「うんっ!」


先輩は生徒会長だらか、いっつも忙しそうだった。

一緒に帰るのは、入学以来初めて。



「ちょっと話があるんだ。じゃ、昇降口で待ち合わせな」


片手を上げるとクルリと背を向けて、右手をポケットに入れて一平先輩は帰って行った。

あはっ、さりげないポーズもサマになってる。


でも話って何だろう?首を傾げる。

思い当たることないんだけど?
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