祐也と私と一平先輩

.......



小坂くんは私の頭をクシャクシャってすると、



「行くぞ」


そう言って壁ドンしていた体を起こした。



「えっ? い、行くってどこへ?」



「スプパの真っ最中だ。体育館に決まってるだろ」



「あ、そ、そうだね」



そうだね、そうだよね。


軽く時空を超えた感覚?ってか
平常心を失っていたのは私だけだったんだね。

小坂くんは何ともないんだね。


ちょっと、とまどいと切ない気分で前を歩く小坂くんの後を追う私。



唇にそっと指を添えてみる。


違う。


もっと柔らかかった。


彼の唇。


突然の私のファーストキス.....。
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