祐也と私と一平先輩
想い出を上書きするとき
────スプリングパーティーも無事終わり.....。
学校には何故かしらカップルが増えたよ~な気がする今日この頃。
来たる中間テストに向けて、私は一平先輩の家で勉強を教わっていた。
無駄な物がない。それでいてセンスのいいシンプルな家具で整えられた先輩の部屋。
ここに来るのは久しぶり。
高校生になってからは初めてだった。
ベッドの前に置かれた折り畳み式の背の低いテーブルで、
向かい合うように私たちは座っている。
「英語は壊滅的だな~、綾乃?」
「.....う、うん」
恥ずかしさで体を小さくする。
「どうしてもっと早く俺んとこ来ないんだよ?
生徒会役員が赤点とか、前代未聞だからな」
「そ、そうなの?」
「赤点だった場合、追試は当然だけど、
放課後は補習。役員活動自粛」
困った顔の先輩。