極上俺様姫
翌朝、目を覚ますと、携帯が鳴っていた。
「……誰ぇ…?
―――もしもし…?」
「いばらちゃーんっ!?おっはよーん」
テンションの高い声が、寝起きの頭に響いた。
「あ…梓か?…元気だな」
「お陰さまでっ!!
風邪も治ったんだよぉ」
「そう…それはよかったな」
わたしは、半ば寝呆け気味で返事をした。
そして、電話越しに梓の声を聞きながら、時計に目を移した。
……7時23分か。
まぁ、間に合うか。
わたしは髪をセットし、制服を着て家を出た。
「おはよー、いばらちゃん」
「おはよう、梓」
「どうしたの?何か明るいね」
「そーか?」
昨日のことを思い出して、わたしはフッと鼻で笑った。
確かに、スッキリはした。
「何なに〜?昨日何かいいことあったの?」
「……いいこと?」
昨日は……
稲葉と学校サボって
川原に行って
思い出話して
稲葉が泣いて……
「いいこと…だったのか…?」