極上俺様姫
◆6◆
わたしは首を傾げながら、その転校生を見た。
にしきや…きょうじ……か。
聞き覚えが無いな。
「あぁ…そうや。
紅野さん…生徒会長なんやてな。
…悪いけど、休み時間にでも学校案内してくれへん?」
「………構わないけど?」
めんどくせぇな。
なんで、このわたしが…。
昼休み、わたしは錦谷を連れて、校内を回った。
「いばら先輩だ」
「…隣のって…彼氏?」
「超かっこいいんですけど!!」
さすがに、わたしと錦谷が並んで歩くと、かなりめだってしまう…。
「俺ら恋人に見えんねやなぁ」
感心するな…!!
「あの…錦谷くん、悪いけど少し離れて歩いてもらえるかしら…」
「あぁ…ごめん。迷惑やった?」
「そんなことないわ。
でも、わたし恋人つくる気ないから…そんなふうには見られたくなくて」
まぁ、要するに、迷惑なんだよ。
結局ね。
暫らく二人とも無言で歩いていると
見覚えのある奴が生徒会室の前に立っていた。
「…あ、いばら先輩!!」
大きく手を振りながら走ってくるソイツ。
言うまでもない……。
稲葉だ。