極上俺様姫
同時に二人から、花火大会に誘われるなんて…。
わたし、どっちと行けばいいんだろう。
「………ってゆーか…何でこのわたしがアイツのことでここまで悩まなけりゃいけないんだ…!?」
そうだ。
キョンはともかく
何でわたしがばか稲葉なんかのことでここまで悩んでるんだよ。
どうかしてる。
アイツはただ壱里に酷似してるだけで
他にはたいした取り柄もないただの馬鹿じゃないか!
わたしは一人ぶつぶつ言いながら
教室に戻った。
「あ、いばらちゃん!」
「梓…」
「どこ行ってたのぉ?あづ探したんだよ〜」
「あぁ、悪い。転校生に校舎案内してた」
「…転校生…って……あの関西弁喋る美少年?!」
「……幼なじみだったんだ」
「……」
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