極上俺様姫
つぼみは手際よく浴衣を着付けてくれた。
「いいじゃん、似合ってる」
「当たり前だ」
「ついでに髪もやっちゃおうか」
「綺麗にしろよ?」
「ハイハイ。お姉様」
わたしとそっくりな顔をしたつぼみ。
男のくせに睫毛は長いし、肌は綺麗だし。
そのうえ礼儀作法もなっていて、教養もあると来た。
我が弟ながら憎らしいくらいよく出来ている。
「姉さん、好きな人でも出来た?」
「何を急に…」
「最近綺麗になったからさ」
「もとからだ」
「その王様気質も柔らかくなった」
「…?」
つぼみは右サイドにアップした髪に薔薇の髪刺しをさして
よし、と呟いた。
仕上げに軽く化粧を施された。
「今の姉さん、綺麗だよ」
「……」
「お祭り、楽しんで来てね」
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