藤沢先生の白いキャンバス。(修正済み)
「清水さんも旦那さんとの
人間関係に悩んだのですか?」
確か清水さんの旦那様は、
早くに病気で亡くしたはず……。
「えぇ、気難しい人だったから。
でも悪い人ではなかったのよ……不器用だけど
いつも何やかんやと言いながらも
私のことを気にかけてくれて。優しかったのよ」
フフッと話す清水さんは、楽しそうだ。
きっと素敵な旦那様だったのだろう。
いいなぁ……。
「いいですねぇ~そんな旦那様」
「フフッ……百花ちゃんには、居ないの?
彼氏とか」
「残念ながら。
欲しいとは、思っているのですけどね」
私もそんな出会いをしたいものだ。
清水さんをリハビリ室に連れて行くと
私は、蒸した清拭タオルを使い患者の背中などを
拭いてあげた。
「うっ~トイレ~」
「あ、ちょっと待ってて下さいね。
すぐに行きますから」
私は、慌てて呼びかけると患者のもとに向かった。
午前もバタバタと忙しかった。
気づいたら交代時間になってしまった。