藤沢先生の白いキャンバス。(修正済み)

「嘘つけ。
嬉しそうな顔には、見えないぞ」

「す、すみません」

また謝ってしまった。

どうもこの人は、苦手だ。

同じ職場なのだが……挨拶ぐらいで
話すこともないし。

こんな状況で本当に家族として上手く
やっていけるのだろか?

不安しか残らない……。

次の日。
確かに藤沢先生は、仕事だからと
早々と出勤して行った。

私は、後から出勤すると同期で高校からの
親友の中山由恵(なかやま ゆえ)更衣室で
着替えながらこの事を話した。

「えっ~部屋が隣だなんて
何かありそうな雰囲気じゃない!?」

興味津々と聞いてきた

何かありそうって……何もないから。

「無理無理。私、あの先生のこと苦手だし……」

「でもさ~確かに怒ると怖いけど院長の息子だし。
いずれは、院長だよ?
それにお母さんが再婚したから
すでに玉の輿じゃない。
しかも藤沢先生って外科医として天才的とか
言われているしさ~もう狙っちゃえば?」

「やめてよ~由恵。
私は、藤沢先生タイプではないもん。
タイプなら……佐伯先生でしょ?」

「あー確かに。佐伯先生だよね」

< 3 / 91 >

この作品をシェア

pagetop