藤沢先生の白いキャンバス。(修正済み)
「嘘つけ。
嬉しそうな顔には、見えないぞ」
「す、すみません」
また謝ってしまった。
どうもこの人は、苦手だ。
同じ職場なのだが……挨拶ぐらいで
話すこともないし。
こんな状況で本当に家族として上手く
やっていけるのだろか?
不安しか残らない……。
次の日。
確かに藤沢先生は、仕事だからと
早々と出勤して行った。
私は、後から出勤すると同期で高校からの
親友の中山由恵(なかやま ゆえ)更衣室で
着替えながらこの事を話した。
「えっ~部屋が隣だなんて
何かありそうな雰囲気じゃない!?」
興味津々と聞いてきた
何かありそうって……何もないから。
「無理無理。私、あの先生のこと苦手だし……」
「でもさ~確かに怒ると怖いけど院長の息子だし。
いずれは、院長だよ?
それにお母さんが再婚したから
すでに玉の輿じゃない。
しかも藤沢先生って外科医として天才的とか
言われているしさ~もう狙っちゃえば?」
「やめてよ~由恵。
私は、藤沢先生タイプではないもん。
タイプなら……佐伯先生でしょ?」
「あー確かに。佐伯先生だよね」