藤沢先生の白いキャンバス。(修正済み)
「は、はい。そうです」
緊張のあまり同じことしか言っていない。
話しかけてもらっているのに。
うぅっ……緊張で心臓が飛び出しそうだよ。
「そうなんだ……料理が出来る女性っていいよね。
あ、そういえば。最近
藤沢先生ってお弁当を持参しているらしいね?
しかも手作り……」
その言葉にドキッとする。
何で、それを私に話すのだろうか?
佐伯先生を見るとニコッと笑う。
「俺さ……さっき見たんだよね。
君と藤沢先生がエレベーターから出てくるところを。
何だか2人の雰囲気がよそよそしかったから
もしかして
それに関係しているのかなぁ~と思ってさ」
うっ……鋭い!?
エレベーターから出てくるところをまさか
見られていたなんて……。
「そ、そうですか?
気のせいではないですか?
私と藤沢先生なんて
ろくに接点なんて無いですから」
慌てて否定した。
実際に医師と関わりが強いのは、看護師だ。
私は、助手だから直接関わることはない。
藤沢先生の場合は、さすがに親の再婚で
義理の兄妹になったとは言えないけど……。
「あ、そうなんだ?でも
藤沢先生って……よく三宅さんを見つめているから
てっきり付き合っているのかと思ってたよ?」
えっ!?
藤沢先生が……私を?
「ま、まさか……そんな訳がないですよ……」