藤沢先生の白いキャンバス。(修正済み)

えっ……?

ドキッと心臓が高鳴る。
まさか佐伯先生に頭を撫でられるとは思わなかった。

「君は、頑張り屋だから。
だから頑張りたい気持ちは、分かるよ。
俺は、そんな
頑張り屋の君に惹かれたのだし……」

「佐伯先生……」

「でも、医療に勤めている以上は、
病院に菌をバラまらまく訳にはいかないからね。
だから……今日は、早退しないとダメだよ。ね?」

佐伯先生は、ニコッと笑った。

心臓がドキッと高鳴る。

「は、はい……」

看護師や患者に人気なのは分かる。

そんな風に優しく言われたら
普通の女性ならイチコロだろう。

でも……私は、まだ藤沢先生が好きだ。

冷たくされても好き。
その気持ちは、今も変わらない。

私は、涙が溢れてきてしまう。

そんな私を佐伯先生は、優しく接してくれた。
本当に申し訳くて情けない……。

その後。
私は、早退させてもらうことに。

母には、一応電話で伝えておいた。

タクシーで帰ると取り合えず着替えて
メイクを落とすとベッドに入る。

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