藤沢先生の白いキャンバス。(修正済み)

お母さん……早く帰って来ると言っていたけど
早く帰って来ないかなぁ……?

身体が重くて動かすこともままならない。

喉が渇いた……。

私は、重たいまぶたを閉じて
そのまま眠りについた。

それから何時が眠ったか分からない。

すると何処から
ひんやりとした感触で目を覚ました。

「う~ん」

ぼんやりした目を開けると
藤沢先生が目の前に居た。

えっ?
どうして藤沢先生が……!?

「あ、悪い。起きてしまったか?
具合は、どうだ?」

私に気づくと声をかけてくれた。

「あ、あの……私……」

藤沢先生が目の前に居るから驚いてしまう。

あ、気持ちを伝えなくちゃあ……。

私は、慌てて起き上がろうとする。
しかし先生に止められてしまう。

「アホ。急に起き上がるな!?
熱があるのだから……ちょっと待っていろ」

そう言うと起こしてくれると腰に
クッションを敷いて
安定が出来るようにしてくれた。

何だか不思議な気分で
ドキドキと緊張してしまう。

「あの……藤……お義兄さん。
仕事は……?」

「今、昼休み中だ。
家が病院に近くて良かった。
様子を診てすぐに戻る。
お粥を作ったが食べられそうか?
少しでも口に入れろ。
薬を飲まないとならないし」

そう言ってくれた。

えっ?じゃあ……。

私のためにお昼休みを削ってまで
わざわざ帰って来てくれたの!?

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