藤沢先生の白いキャンバス。(修正済み)
私のために……。
その厚意が凄く嬉しかった。
申し訳ないと思うのだが……。
「ありがとうございます。
それと……すみませんでした。
何度もご迷惑をかけて
私を内科まで運んで下さったのですよね?
佐伯先生から聞きました」
私は、改めてお礼と謝罪する。
すると
その言葉にピクッと反応する藤沢先生。
「佐伯先生から……聞いたのか。
そうか……」
何だかまた、微妙な雰囲気になってしまう。
あれ……?
また言ったらいけないことでも
言ってしまったのだろうか?
その微妙な雰囲気に不安になってしまう。
どうしよう。
「あ、あの……すみません。
私ったらまた、余計なことを……」
とにかく謝らなくちゃあ……。
しかし、その時だった。
藤沢先生は、私をギュッと抱き締めてきた。
えぇっ……!!?
彼の行動に驚かされる。
心臓が大きな音をたてて鳴り響く。
「お、お義兄さん……?」
「この前……言ったこと撤回させてくれ。
俺は、お前があんなスカした奴に取られるのは、
我慢ならない……」