藤沢先生の白いキャンバス。(修正済み)
急に離されると寂しくなってしまう。
せっかく両思いになれたと思ったのに……。
本当なら、もっとそばに居てほしい。
行かないで……と言いたくなる。でも、
そういう訳にはいかない。
患者が待ってるのだから仕方がないわよね。
「そうですか……分かりました。
いってらっしゃい」
寂しい気持ちをグッと我慢して言った。
すると藤沢先生は、私の頭をポンポンと
優しく撫でてくれた。
そしておでこにkissをしてくれた。
「あぁ、行ってくる。すまない。
出来るだけ早く帰るから」
フッと笑うとそのまま
部屋から出て行ってしまう。
頭を撫でられちゃった……?
し、しかもおでこにkissをされちゃった。
ソッと触れたところを触れてみる。
まだ感触が残っていた。
佐伯先生の時とまた違ってドキドキより
嬉しかった……。
私を見て笑ってくれた。
好きだと言ってくれたのが凄く
幸せな気持ちになった。
「フフッ……」
私は、噛み締めながらベッドに横になる。
いい夢が見られそうな予感がする。
静かに目を閉じてもう一度眠ることにした。
しかしこの時は、知らなかった。
私の藤沢先生に最大の試練があることに……。