藤沢先生の白いキャンバス。(修正済み)

日曜日!?
しかもお見合い……。

来週の日曜日は、
私と先生がデートする日ではないか。
そ、そんな……。

「あ、百花ちゃん。来ていたのか?」

お義父さんが私に気づいてしまった。

「百花!?」

藤沢先生もそれに気づいて振り返った。

ビクッ!!

ど、どうしよう……全部聞いてしまった。

「あ、あの……失礼しました」

私は、頭を下げると慌てて逃げるように
院長室から出て行く。

そんな……お見合いだなんて嫌だ。

せっかく両思いになれたのに。
藤沢先生と恋人らしいことが
出来ると思ったのに。

涙が溢れて止まらない。

すると

「百花。ちょっと待て!?」

藤沢先生が追いかけてくれた。

「藤沢先生……」

まさか、追いかけてくれるなんて……。

涙を慌てて拭う。

「百花。すまない。
俺も今、聞いたところなんだ。
お見合いの話は、ちゃんと断るから気にするな」

そう言ってくれた。

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