藤沢先生の白いキャンバス。(修正済み)

こんな人が、先生のお見合い相手だなんて
神様は、意地悪だわ。

思わない強敵に自信を無くしてしまう。

だが、それだけでは済まなかった。

その後
坂下先生と藤沢先生が難しいオペをしたのだが
優秀の2人は、見事成功。

その活躍は、新聞の記事や
ニュースになったほどだ。

しかも同じ外科医同士なのとアメリカの
研修医の時に同期だったこともあり関わりを
持つことが多くなった。

周りから『黄金コンビ』とまで言われるように。

そのため2人で難しい話をしているところを
何度も見てしまう。

「ねぇ、2人が並ぶと藤沢先生と坂下先生って
お似合いじゃない?」

「素敵よねぇ~大人の恋人同士って感じで」

周りの看護師達が騒いでいた。

確かに2人が並ぶと大人の恋人同士みたいで
凄くお似合いだった。

私と並んでもあんな風にはならない。

それが、余計に胸がざわつき苦しくなる。

その夜に
遅く帰って来た藤沢先生を待っていた。

「まだ起きていたのか……」

「はい。お帰りなさい。
随分と遅かったですね?仕事ですよね?」

「あぁ、そうだ。当たり前ではないか。
坂下先生と明日のオペのことで話し合っていた」

少し呆れように上着を脱ぐ藤沢先生。

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