藤沢先生の白いキャンバス。(修正済み)

また坂下先生と一緒に居たんだ?

胸が、ズキッと痛みだした。

「坂下先生とですか……最近よく
一緒にいらっしゃいますよね?」

どうしても気になって口に出してしまう。
チラッと先生を見ると

「当たり前だろ。同じ外科医なんだから」

平気な顔して言ってきた。

そんなのは、分かっている。
分かっているけど……気になる。

お見合い相手だから余計に不安で仕方がない。

「あ、あの……お見合いのことなのですが……」

「その話は、今しないといけないか?」

えっ?

「そんなことはないですが……」

「なら、明日でもいいか?
オペ続きで疲れているんだ。
明日にしてくれ」

疲れたようにため息を吐く藤沢先生。
むしろ少しイラついているようにも見える。

疲れているって……。

オペで大変なのは、分かるけど
私にとって大切なことなのに
後回しにされることが凄くショックだった。

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