藤沢先生の白いキャンバス。(修正済み)
愛の逃避行。
えっ……?
明日の服を持っていけって
どういうことだろうか?
意味が分からずにいると藤沢先生が
「悪い……父に何度か説得したのだが、まったく
聞く耳を持ってくれなかった。だが俺は、
結婚まで父に決められたくない」
「明日だと警備が難しくなる。
だから今日の夜から抜け出してしまえば
明日のデートに間に合う。
強引かも知れないが……ホテルも取ってある。
百花は、出て来れるか?」
そう言ってくれた。
嘘っ……藤沢先生。私のデートのこと
どうでもよくなった訳ではなかったんだ?
しかもそこまで考えてくれていたなんて……。
涙が溢れるぐらい感動する。
「はい。今すぐに準備して
そちらに向かいます!!」
「そうか。場所は……」
藤沢先生にホテルの場所を教えてもらい
慌てて電話を切った。
そして出掛ける支度した。
明日用の服と下着……それと
一泊なので少し大きめのバッグに詰めると
両親に気づかれないように自宅から出た。
そして大通りでタクシーを捕まえて藤沢先生と
待ち合わせをしているホテルに向かった。
着いたホテルは、高級そうな
素敵なホテルだった。
そこで教えてもらった部屋に行くと
藤沢先生が居た。
先生は、私を見るなり
ギュッと抱き締めてくれた。