藤沢先生の白いキャンバス。(修正済み)
なんて贅沢な提案だろう。
すると困惑した表情をしてくる。
「それだとお前が、退屈だろう?」
「いいえ。全然楽しいです。
私、描いている時の先生の顔が好きなので」
ニコッと笑顔で言った。
そうしたら照れたのか
目線を逸らしてくる藤沢先生。
頬が赤い。
「そうか……それより
また先生呼びに戻ってたぞ?」
話題を変えられてしまう。
あ、しまった。
どうもお義兄さん呼びは、慣れないせいか
安定しない。
恥ずかしいのもあるが……。
やっぱり好きな人を義兄と呼びたくないのだろう。
「すみません……慣れなくて」
「一層名前で呼んでくれないか?
その方が、まだ呼びやすいだろう……」
えっ!?
「えっ……名前ですか!?」
そんな……本当にいいのだろうか?
恥ずかしいし……。
「俺もお前に義兄呼ばわりされるのは、
やっぱり慣れない。それに
せっかく恋人同士になっても……それだと
違和感しか残らない」
藤沢先生は、そう言ってきた。