藤沢先生の白いキャンバス。(修正済み)

「ごめんなさい……景介さん」

涙を流しながら謝った。

先生の手をソッと乗せる。

こんなにも温かいのに……目を覚まさない。
胸が締め付けられそうだった。

私が藤沢先生を好きにならなければ良かった。

私と付き合い、公園に行ったばかりに
ごめんなさい……。

何度も何度も謝った。

どうしたらいいの?
これから……。

それから1週間後。
藤沢先生は、まだ目を覚まさなかった。

ICUから一般病棟に移動になる。
私は、時々様子を見に行くことに。

せめて目を覚まして。
一生かけて償いたい。

「景介さん。今日は、真っ青な青空ですよ。
いい天気ですね」

私は、そう言いながら窓を開けた。

日差しが強くて眩しい。

「こんな日は……外に」

そう言いながら振り返ると先生が
目を覚ましていた。

せ、先生!!?

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