藤沢先生の白いキャンバス。(修正済み)

呆れているとよちよちと
前に歩くのは、長男で末っ子の光生(こうせい)。

「こうたんもかくぅ~」

そう言いながら先生と凛花のもとに行く。

「光生は、ダメ。
光生、お絵描き下手くそだもん」

「ふええ~ん。こうたん。
かけりゅもん」

そう言いながら姉弟喧嘩を始めてしまう。

あぁ、また始まった。
5歳と2歳児の子供達は、いつもこんな感じだ。

「こら、あなた達。
こんなところで喧嘩をしないの」

慌てて止めようとしたら先生は、笑いながら

「アハハッ……じゃあ凛花、光生。
パパとどちらが上手くママの絵を描けるか競争だ。
上手く描けたらママにプレゼントが出来るぞ!」

そう言ってきた。

「凛ちゃんが1番上手く描くもん」

「こうたんもかくぅ~」

キャッキャッと大はしゃぎだ。

あらあら。
これは、大変だわ。

「じゃあ、お願いしようかしら?
上手くママを描いてね」

そう言いながらクスクスと笑った。

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